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トラブルの実例

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CASE-1 結局高くついた近所の葬儀社

主人が亡くなった時、葬儀のことなんて何も考えていませんでしたが、本人が以前「派手じゃなくていいから、身内だけで静かに送ってほしい」と言っていたので、なるべく質素な葬儀にするつもりでした。葬儀社さんも、町内会でいつもご近所付き合いをしている所があったので、そこにお任せすれば、まず間違いないと思ったんです。

ところが、打ち合わせの時に、そこの社長さんがやってきて、
「孝行できるのも、これが最後ですよ」とか、
「ご主人とは長い付き合いだし、特別サービスします」なんて言い始めて、
結局100万円もする祭壇を頼むことになってしまいました。


主人が亡くなった悲しい気持ちや、不安で頭が冷静じゃなかったせいか「立派に送ってあげよう」なんて思ってしまったのも事実なんですが、ご近所の手前だし、どうしても断りきれなかったんです。なんだかんだで、その社長さんが全部仕切ることになってしまい、親戚も驚くくらいの立派な葬儀になってしまいました。 

途中で「そんなに立派なものは頼んでない」って言いたくても、この後の近所付き合いを考えたら、とても言い出せませんでしたし、結局総額で200万円になってしまいました・・・。


トラブルの原因

この方は、ご自分の希望を全く伝えていませんでした。
これが一番大きな原因です。

気心が知れている分、相手の葬儀社が強引な勧めかたをしてきたとしても、そこで負けてしまっては「思うつぼ」だと思ってください。言うべきことは言わないと伝わらないのです。

もう一つ、葬儀社とご近所付き合いがあるという安心感からか、事前の準備はおろか、他の葬儀社との比較検討もしていませんでした。
これでは判断する基準が何もないので、ご近所の葬儀社が本当に良心的なのか、ぼったくりなのかも分かりません。

他に選択肢を持たなかったのも大きな原因のひとつです。


トラブル防止策

ご近所の場合は特に、ビジネスライクに交渉出来ない分、付き合いも難しいとは思いますが、この方の場合はご主人が生前に「質素に──」と言ってくれていますので、そのままを葬儀社に伝えるべきでした。

「立派に送ってあげたいのはやまやまなのですが、主人の遺志ですから・・・」


こう伝えれば、ご近所付き合いにも響きません。あくまでも「故人の遺志」と言うのがポイントです。


もう一つの方法として、どうせお任せするのなら、打ち合わせの最初に、予算を伝えておいた上で、お任せすることもできましたね。
そうすれば“長い付き合いの特別サービス”だって、予算内で仕切ってくれますし、ご近所付き合いのメリットを最大限に活かせたと思います。

それから、この方が心配されていたご近所付き合いですが、もし「そんなに立派にするつもりはありませんので・・・」と言ったとして、本当にご近所付き合いの関係が崩れてしまうなんていうことはあるのでしょうか?

万が一、その葬儀社が「あそこのお宅は安い葬儀だった」なんて言おうものなら、その葬儀社への信頼が地に落ちます。常識で考えてもありえないことですよ。安心してくださいね。

トラブルの対策を解説する目的で、この方の原因ばかりをお話しましたが、もちろん全ての原因は、葬儀社の対応不備が招いたこと。無理な営業トークや、要望が言えなかったストレスのせいで、猜疑心が生まれ、信頼関係が成り立たなかったのが残念なケースでした。


 解説

いざという時というのは、頭の中が真っ白な中、時間的な余裕も、精神的な余裕もなくなってしまいます。そうなると、感情(悲しい・故人への気持ち・最後に何かしてあげられないかという気持ち)が、事実(この祭壇は高い→あとで大変な思いをする)を隠してしまうのです。

そんな状態の家族に、手練れの葬儀社の営業トークが入れば、この方のように、「立派に送ってあげよう」と、本来の要望とは違っていることを考えてしまうのも無理はありません。 

そんな時に自分を助けてくれるのが、事前の準備です。   

事前に「判断材料」にするつもりで、複数の葬儀社から見積りを取っておけば、自分の要望をいつでも見直すことができますし、「比べる」という動作をする事で、いざという時でも冷静になれるのです。

お葬式に限らず、ご近所や知り合いにお仕事を頼むと、後々面倒なケースって、よくある事のようです。ご近所付合いも善し悪し。他にも選択肢を持っておきましょう。


葬儀相談員市川 愛の個人的「ボヤキ」

実はこのケース、本来ならば「親戚が驚くくらいの立派なお葬式」で、総額が200万円というのは、一般的か、もしくは良心的な部類に入る金額なのです。

それが伝わらないどころか、後悔させるなどということは、顧客対応を軽視しすぎているということ。そんな業者が「葬儀という究極のサービス業」をやっているなんて、考えただけでもゾッとします。

それに、「孝行できるのも、これが最後ですよ」って、多くの葬儀社が言う営業トークでしょうが、そんなことを他人がわざわざ言わなくっても、家族だったらもう分かっていること。
そういうのを「余計なお世話」って言うんです。薄っぺらな営業トークで、喪家の精神状態をうまく利用できたとしても、後で会社の評判が落ちるだけなのに。どうして分からないのでしょうか・・・。

消費者は、思っているよりもず〜っと賢いんです。お葬式の最中は、気が動転していて分からなかったとしても、後から必ず「あれはおかしかった・・・」って気づきます。  
その後のクチコミは、怖いですよ。

年々お仕事が減っている葬儀社さん、あなたの会社の営業方法は、大丈夫ですか?

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