CASE-2 小さな仕事はやりたがらない葬儀社
Nさんのご主人は入院が長く、ガンだったこともあって医療費がかさんでしまい、最期にはすごい金額になってしまいました。
とてもお葬式をするまでのお金が残っておらず、ご主人に申し訳ないと思いつつ、仕方なく「火葬だけ」をする事にしたのです。「今はこれしかできないけど、余裕が出てからしっかり供養してあげよう」って思ったそうです。
特に知っている葬儀社もありませんでしたし、お葬式をするわけではないので、どこに頼んでも同じだと思い、病院の霊安室にいた葬儀社に全部お任せし、まず自宅まで搬送してもらう事にしました。
自宅へ向かう搬送車の中で、「費用はどれくらいかかりますか?」と聞いたところ、ご主人を亡くしたばかりのNさんに向かって、その担当者は
「火葬するだけでしょ?30万くらいかね」
「本当だったらこんな仕事は請けないんだよ」
「本当に祭壇は飾らないんだね?」
などと言い、まともに答えてもくれなかったそうです。(後から分かったのですが、この担当者、社長でした)
さらに驚いたことにその担当者、ご自宅に安置をし、ご遺体の保全処置が終わったら、細かな費用やこの後の流れなどの説明も一切せずに、「明日またドライを替えに来るから」とだけ言って、さっさと帰ってしまいました。
亡くなったご主人と2人、家に残され、どうすればいいのか分からない、いつ火葬するのかも、いくらかかるのかも分からないという、大変に不安な状態だったのですが、Nさんは「お金にならない仕事をお願いするんだからしょうがない」と思い、何も言えなかったのだそうです。
トラブルの原因
その日の夕方、田舎からNさんのご長男が到着し、母親のそんな姿を見て、事の全てを知り、激怒。この時点でご長男からリリーフにご相談が入りました。
今すぐに葬儀社を変えたいということだったのですが、仮に、これから新しく他の葬儀社に依頼をしても、かえって費用がかさんでしまう事が分かりました。
とりあえずNさんのお宅へ伺ったんですが、いろいろな条件を考えた結果、費用を優先したいという理由で、そのまま例の葬儀社に依頼することになりました。
リリーフが代理で交渉することになったので、すぐに葬儀社から今後の細かな段取りの説明を受け、見積りを出してもらい、費用を詰め、ご家族だけで火葬までを終えたのですが、対応に疑問の残る葬儀社でした。
普通に考えたら、こんな葬儀社にお願いするなんて、おかしいと思いますよね?
でも、家族が亡くなったという「非日常の状況」では、必要以上に萎縮してしまい、Nさんのように「小さな仕事だから」と我慢をしてしまうことも多くあるんです。
Nさんは大きな勘違いをしています。
いくら祭壇を飾らないからといって、どの葬儀社も同じな訳がありません。
ましてや「火葬だけ」というシンプルな形であればあるほど、葬儀社の対応の善し悪しが浮き彫りになるんです。
病院ではじめてあった葬儀社に、そのまま全部をお任せするのは、残念ながら少し乱暴な選択でした。
トラブル防止策
このトラブルを防ぐのはとっても簡単です。
“病院の葬儀社に、話も聞かないうちから全てをお任せするのはやめましょう”
これだけのことです。
ご自宅(もしくは安置の施設)まで「搬送だけ」をしてもらい、「火葬だけを希望していますが、見積りをいただけますか?」と言って、対応を見るのです。
ここでガッカリするような葬儀社は、あなたの顔が「お金」に見えている葬儀社です。
(きっとこんな顔ですよ →(¥_¥))別の葬儀社をあたりましょう。
逆に、しっかりと説明をしてくれて、対応も親切な葬儀社だったら、火葬が終了するまで、親切に対応してくれますし、終了後もなにかと相談にのってくれますので、安心してお任せできます。
解説
実は、リリーフではこの葬儀社の情報を以前から持っていました。
驚くことにこの葬儀社、大きなお葬式をさせたら本当に「評判の良い葬儀社」だったんです。歴史もあり、「お客様のために」と、しっかり仕事をする葬儀社だという評判も聞いたこともあるほど。
でもここは、「火葬だけ」・「密葬」・「家族葬」というような「小さなお葬式」をやりたがらない葬儀社だったんですね。
でも、ちょっと考えてみて下さい。
お金が無いことは「悪いこと」ですか?
医療費がかかったのなら、当り前のことですよね?
では、
小さなお葬式は、葬儀社さんに対して「申し訳ないこと」ですか?
それも違いますよね?
小さなお葬式でも、葬儀社側にはちゃんと利益が出るようになっているのですから、変な遠慮をせずに、しっかりと自信を持ってお願いしましょう。
もし、良い対応をしてくれたら「ありがとう」と言う。それだけでいいんですよ。
Nさんは、ご長男が来なければ、30万円も払った上に、最低の対応をされていたところでした。
このケースが教えてくれるように、わけが分からないまま流れに乗ってしまうのは、とっても危険なことなんです。
不安に思うような対応をされた時には、必ず質問をして、答えに納得できなければ、勇気を持っていったんストップさせましょう。葬儀社の選択肢は一つではない。対応に疑問がある葬儀社には頼まない。これを徹底してくださいね。
約半年後、Nさんは親戚や友人を集め、お別れ会形式のお骨葬をしました。
事前にご長男が中心となって、しっかりと葬儀社を選び、後悔のない、納得がいくお別れをすることができました。
誰が一番喜んだかって、当然Nさんご自身です。最初にお会いしたときの、不安そうな顔はどこかへ行ってしまい、「やっと肩の荷が下りた」って、はつらつとした笑顔でした。
私もお手伝いをしながら、そんなNさんを見て、とっても嬉しかったのを覚えています。
葬儀相談員市川
愛の個人的「ボヤキ」
最近の消費者のニーズは、ずばり「密葬・家族葬」です。首都圏では、葬儀をせずに火葬だけをすることも多くなってきています。
今後、この傾向は加速していくでしょうし、高齢化に伴い、大きなお葬式はどんどん少なくなります。そんな時代に、小さなお葬式だからどうのこうの言う葬儀社なんて最低です。
小さなお葬式に心を込めて対応できない葬儀社なんて、大きなお葬式の時にだって、必ずボロが出ると思いませんか?お客様のほうを向かずに、お金のほうを向いているのですから。
小さい仕事が半数を超える今、その小さな仕事さえ満足に対応できない葬儀社に、いったい誰が大きなお葬式を依頼したいと思うのでしょうか?
それも分からず、小さい仕事だからといって最低の対応をする葬儀社なんて、早いところ淘汰されるべきです。
お葬式の大小で、故人を思う気持ちに差が出るなんていうことはないのですから。
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