CASE-10 病院の指定葬儀社
Tさんのお父様が亡くなって、病院の霊安室でのこと。
家族が集まり呆然としているところへ、病院から連絡を受けたという葬儀社さんがやって来ました。
出された名刺を見ると、住所は同じさいたま市でしたが、Tさんの家とはかなり離れた場所。このまま頼んでいいものかと迷っていると、葬儀社から「当社は△△病院の指定ですから」との言葉があり、Tさん夫婦は相談のうえ、「お世話になった病院だし、その指定葬儀社なら・・・」と、そのまま依頼することになりました。
Tさんの自宅へお父様を搬送してもらい、詳しい打ち合わせの末、市営斎場を利用するのが安いということで、予約を取ってもらいました。
Tさんは、たまたま慰めに来てくれたご近所の奥様が、以前同じ市営斎場でお葬式をあげていたのを思い出し、思い切って費用のことを聞いてみました。
そのお宅では、全部含めても100万円くらいだったと聞き、Tさんはびっくり!
それもそのはず。葬儀社からもらってある見積りは、なんと約180万円だったんです!
これから葬儀社を変えるにしても、日程も決まり、参列者にもその葬儀社でお知らせを出してしまった後。親戚もと相談した結果、結局そのまま依頼するしかないという結論に・・・。
お葬式自体は滞りなく終わったのですが、180万円もかけた内容が、ご近所様の100万円だったというお葬式となんら変わりない内容に思えて、ものすごく損をした気分だったそうです。
トラブルの原因
これはもう、行き当たりばったりで葬儀社を決めてしまった事に尽きます。
本当ならば、これは一番やってはいけないことなのです。
最初に出会った葬儀社が良心的かなんて、話も聞かないうちに判断できるわけがありません。ギャンブルと同じ事です。
「病院の指定葬儀社」というのも、ものは言いようで、ただ単にその病院に「搬送業者」として入っているというだけの話。当然、その葬儀社に頼まなければいけないという事ではありません。
トラブル防止策
事前の準備もしておらず、葬儀社のあてもない場合、病院の葬儀社に搬送をお願いしなければならないこともよくあります。
その場合、お葬式まで全部お任せする必要はないということを、しっかり覚えておいて下さい。
病院の葬儀社には、搬送だけをお願いしたらいくらかかるのかを聞いて、まず搬送だけをお願いしましょう。日中10km以内で3万円以下であれば、相場の範囲内です。
もし、それ以上の費用がかかるような場合は、電話帳を見れば葬儀社はいくらでも載っていますから、別の葬儀社に電話をかけて、迎えに来てもらうようにしましょう。
安置が済んだら、とりあえず見積りを聞いていったん帰ってもらい、最低でももう1社、問い合わせて比較検討すれば完璧です。
逝去の後は、とにかく時間が無いように思われがちですが、ドライアイスの処置が済んでいれば、一から葬儀社を探す時間は充分あります。
同じ斎場を使って同じような内容のお葬式でも、葬儀社が違えば80万円違うなんてことはザラにあるのです。
必要以上のお金を払いたくないのであれば、必ず葬儀社を2社以上、比較してから依頼するようにして下さい。
解説
「病院の葬儀社は高くつく」って、聞いたことありませんか?
あれって、あながちウソではないんです。
葬儀社が病院に入るには、(特に私立病院では)莫大な経費がかかります。
保証金と称して、病院に何百万円も支払う場合もあれば、お金ではなく、業務用冷蔵庫などの設備を用意する場合もあります。
それに加えて、病院に常駐するということは、その人員だって必要です。
その人件費だって経費のうち。
24時間ですからけっこうな金額です。
病院の近くに部屋を借りるケースもありますので、その家賃も経費です。
そうやって、年間何千万円もの経費を使って病院に入っているんですから、どこかで回収しなければなりません。
どこで回収するかって?
もちろん、病院でばったり出会ったあなたからです。
これが、病院葬儀社が高くついてしまうカラクリです。
葬儀代金に経費分が上乗せされているんですから、高くなって当り前です。
病院葬儀社の場合は、必ず他の葬儀社からも見積りを取って、ちゃんと比較してからお願いするようにして下さいね。
葬儀相談員市川
愛の個人的「ボヤキ」
ある葬儀社さんがこんなことを言っていました。
「病院で、喪家から死亡診断書を預かっちゃえばこっちのもんですよ」
別の葬儀社さんからはこんなことを聞きました。
「ご遺体を預かってしまえば人質みたいなものだから」
どんなぶっちゃけトークじゃ。
でも、これが現実です。
ぼったくられるか、ぼったくられないかは、
あなたの選択にかかっているのです。
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